日本アニメの人気が世界的に高まり、制作本数が増えるなか、作画を担うアニメーターの不足が深刻化している。業界は人材の確保や育成に力を入れるが、不足の背景には構造的な低賃金の問題があり、政府に積極的な対応を求める声も出ている。(岩沢志気、井東礁)
奨励金支給し育成・雇用
8月下旬、東京都中野区。アニメ制作大手トムス・エンタテインメント(TMS)の社内の一室で、6人の研修生が講師の指導を受けながら、A4サイズの紙に黙々とアニメのキャラクターを描いていた。
同社が2021年度に始めたプログラム「TMS作画アカデミー」の一コマだ。毎年5人ほどを募集。1年間かけて作画を基本から学ぶ。実際に放映する作品の作業に携わる実習もあり、リアルな現場を知ることができる。
研修は週5日、午前10時~…